映画学メモ
日本ではまだイマイチ馴染みの薄い「映画学」なるものを、イギリスの大学から実際の映画学の授業に沿うかたちで紹介していきたいと思います。まー気楽にいきましょう。
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映画学入門 Week6(その3)
毎度お世話さまです。

最近ちょっと忙しくて更新できてませんでした。
jikanneeyo.jpg
ちょっとスケジュールが押し気味なので、なんとか頑張って追いつきたいです。

そんなわけで、「アンダルシアの犬」のまとめであります。

☆「解釈」という行為
前回は、「アンダルシア犬」が映画という枠組みそのものを問題化し、問い直す性格を持っている、というお話をちょっとしました。今回はそれをさらにもうちょっと広げて、「アンダルシアの犬」は映画学というこの文章が属する枠組み自体にも、何か重要なものを示唆しているのではないか、ってな話です。


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すごいサイトが!
どうもこんにちは。
みなさん大ニュースですよ!

コメント欄の方で、マルハさんが、今まで映画学メモで扱ってきた映画のほとんどが見れる 素 晴 ら し す ぎ る サイトを教えてくださいました!マルハさん、ホントにありがとうございました!

Hollywoodparty~幻の洋画劇場
visual_main2.jpg


というところであります。いやーすごいですよこれ。ホントすんごいセレクションです。

一つ問題としては、有料なんですよね・・・
ただ有料といっても古い映画だったら100円からですし、レンタルビデオ屋にもなかなか置いてなかったりする作品であることを考えればとても良心的な価格設定だと個人的には思います。

とりあえず直接「映画学メモ」と関係あるところでは・・・;
・最初の「お試し無料ストリーム」でリュミエール兄弟の映画が見れます。
・「サイレント映画」のセクションにメレイスの作品集
・同じく「サイレンと映画」セクション、「初期イギリス映画作品集」に「車に轢かれた時ってどんな感じ?」、「火事だ!」
・「名作ドラマ」セクションにグリフィスの「国民の創生」「東への道」
・「怪奇映画」セクションに「カリガリ博士」
・「戦艦ポチョムキン」は見当たりませんでしたがどっかにあるかも知れません
・「サイレント映画」の「シュルレアリスム映画作品集」に「アンダルシアの犬」!
といったところがあります。

うーん、このサイトを作った方にはホント敬意を表したいです。
この機会にこれまで映画学入門で題材になっていた映画を見る機会がないまま「映画学メモ」をご覧になっていた方は、ぜひそこらへんの映画を見てみてくださいませー。

ではでは。

テーマ:雑記 - ジャンル:学問・文化・芸術

映画学入門 Week6(その2)
というわけで、前回に引き続きシュールリアリズムやらPsychic Automatismやらのお話です。
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「アンダルシアの犬」(Un Chien Andalou)より

☆「アンダルシアの犬」ってどんな映画?
この「アンダルシアの犬」ってのは長さも15分くらいで短いですし、ぜひぜひ見ていただきたい映画なんですが、これってそこらへんで買ったり借りたりできるんでしょうか?仙台ではなかなか手に入らなかった印象があります。東京とかだったらありそうな気もするので、機会のある方はぜひ。

この映画、見ていない人のために説明しようにも、あらすじの説明とかが不可能な映画でありまして、見ていただくしかないんですよね。もしここで僕が無理やりあらすじを書き綴ったりしたら、みんな僕の頭がおかしいと思うこと請け合いです。そんな映画。前回のエントリーで、この映画はブニュエルとダリの夢を混ぜ合わせることによって生まれた、と書きましたが、ホント夢を見ているように、物理法則とか時間とか空間とかを無視して色んなことが起こるのです。

うちのガッコにはシュールリアリズム研究で有名なおばさまがいるのですが、彼女が面白いことを言っていまして「この映画は何回見ても、それぞれの場面をちゃんとした順番で思い出すことができない」んだそうです。確かにそうで、とあるシーンがあって、そのシーンがどこから派生したのか、って考えた時に、誰も覚えてないんですよねー。そこらへんも実に夢っぽくて素敵です。
andalou4.jpg
今回の画像もHKRちゃん


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テーマ:映画 - ジャンル:学問・文化・芸術

映画学入門 Week6(その1)
Week6

シュールリアリズムと映像
または、
映画という枠組みそのものに対する挑戦
または、
語るべきか、語らぬべきか


ややこしい題名ですみません。
映画学メモと申します。
mieppari.jpg

本日は僕の大好きな「アンダルシアの犬」(Un Chien Andalou)をお題に
グリフィス「東への道」
ヴィエネ「カリガリ博士」
エイゼンシュタイン「戦艦ポチョムキン」
と続いてきた20年代シリーズ(カリガリは20年代じゃないですが)の続きをお話ししたいと思います。前にも触れましたように、20年代というのは色んな映画文法が出揃った大事な時代でありました。次回扱うトーキーの登場で、20年代についてはひとまず終わりです。

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「アンダルシアの犬」(1929年)
ルイス・ブニュエル&サルバドール・ダリ


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映画学入門 Week5 (その3)
お久しぶりです。
penguins.jpg

そーいえば最近「映画学 用語」とか「mise-en-scene」(メゾンセン)とか「映画 文法」といった感じの検索で映画学メモに辿り着いてこられる方が多いようです。やっぱり映画学関係の用語って皆さん興味あるんでしょうか。

そのうち左側のメニューに映画学用語集でも作るつもりであります。

先日は先生と修論についての相談をちょっとしてきたのでしたー。まだまだずいぶん先の話なんで、あんまり突っ込んだ話にはならなかったんですが、マンガとジェンダーといった辺りはかなり興味を持ってくれていました。
Riversedge.jpg
リバーズ・エッジの話とか

3、エイゼンシュタインとモンタージュ

さぁそんなわけで、まさに「映画文法」であり「映画学用語」であるモンタージュのお話ですね。実は、前回のエントリーで「次回は戦艦ポチョムキンについてです」と書いたものの、やはり自分で内容をまとめるとあんまり映画そのものについての話ってできなそうです。やっぱり編集技術であるモンタージュを映画を見せずに語るってのは僕の文章力ではなかなか無理があるようでして、申し訳ないです。しかも、モンタージュの話をしてると画像を入れづらい!んです。今週は文字ばっかりですいません。

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映画学入門 Week 5(その2)
なぜかお腹がすかない月曜日だったのですが、そんな今日はとても夕焼けがきれいでありました。

2、「戦艦ポチョムキン」を歴史上の文脈に位置づける

スゴイどーでもいいんですが、「ポチョムキン」って打って一気に変換すると「歩著無菌」って出るんですよ。なんかカワイクないですかーこれ!・・僕だけですか、そうですか。いまだにコンピューターラボから更新してるもんで、PCが変換覚えてくれず、ポチョムキンって打つたびに「歩著無菌」なんですよねー。
potemkin2.jpg

さて、映画というものは、どんな映画であっても多かれ少なかれ、なんらかの形でその映画を生み出した社会の状況に影響を受け、またその状況を反映しているものであります。史的、治的、会的、理的etc色んなケースがあるわけですが。でも、そんな社会状況と映画の関わりというものが、ソビエト連邦ほど深い場所もちょっとありません。特に、「戦艦ポチョムキン」の監督であるエイゼンシュタインが活躍していた1910年代、20年代、30年代あたりのソビエトにおける映画と社会の関わりっていうのはヤバイくらい深いんですね。ですから「戦艦ポチョムキン」とモンタージュ技法を理解するためには、当時のソ連の状況というのもちょっと知っておく必要がでてきます。

もちろん僕もあんま知らないわけですが、とりあえず「戦艦ポチョムキン」とダイレクトに関わってくる部分だけでも今回は書きたいと思います。なんせ話題が話題なのでだいぶ字ばっかりのつまんないエントリーになりそうですが、やっぱ大事なとこですので勘弁してくださいー。





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映画学入門 Week 5(その1)
映画学入門 Week 5

「戦艦ポチョムキン」とモンタージュ


嵐の20年代シリーズ、今回は「戦艦ポチョムキン」、ソビエト連邦のお話です。
potemkin.jpg
戦艦ポチョムキン 1925年
セルゲイ・エイセンシュタイン監督

アメリカにおいてグリフィスはContinuity Editingを通して時間・空間的に統一された空間を、ドイツにおいて表現主義映画は特殊なメゾンセンを通して人間の内面の視覚的表現を模索してきました。か~なり大雑把な言い方ですが。っていうかグリフィスもカリガリも20年代じゃないし!まぁこれらの動きが一般に浸透して表面に出てくるのが20年代であります。この大体同じころに、ソビエト連邦では何が起こってたんじゃー、って話ですね。

もんのすごい荒っぽい言い方をすると、「モンタージュ」という編集技法を通して、新たな映画の組み立て方が模索されるわけです。

今回の内容は次のような感じです。
1、編集と、モンタージュについての基本的な定義
2、「戦艦ポチョムキン」を歴史上の文脈に位置づける
3、エイゼンシュタインとモンタージュ



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映画学入門 Week 4(その3)
ちょっとご無沙汰しておりましたー。
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僕はシュールリアリズムについてのコースをとっていて、とても面白いので気合いれてやってるんですが、そのコースのプレゼンがおとといの木曜日にありましてちょっとそちらにかかりきりになっており、その後も色々忙しくて更新できずにおりました。

もう来週の火曜日にはWeek6の授業があるので、早いとこWeek5(「戦艦ポチョムキン」)の分も終わらせないけません。ちょっと押してるなぁ・・・。

と言いつつも、今回は前回のお題であったメゾンセンについての補足からであります。

☆メゾンセン(mise-en-scene)についての補足

メゾンセンについて、二点ほど簡単に補足したいと思います。


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映画学入門Week4 (その2)
2、「メゾンセン」(mise-en-scene)とは?

メゾンセンはmise-en-sceneと書きましてフランス語の言葉をイギリスでも使っているわけなんですが、Continuity editingと同じように、映画学をやっていく上でとても大事な考え方です。
mise-en-scene.jpg

これは簡単に言うと「スクリーン上で、目に見えるもの全て」を指す言葉であります。目に見えるものだけですよ。

ですから;
☆メゾンセンに含まれるもの
・役者
・背景
・ライティング
・セット
・小道具
・色使い
・視覚的特殊効果
・衣装
・などなど映画に「映っている」もの全て

☆メゾンセンに含まれないもの
・セリフ
・音楽
・映画が作られた背景・社会事情
・映画監督、またはその哲学
・その他、映画に映っていないもの

・・・ということになります。

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映画学入門 week4
Week4

カリガリ博士と「メゾンセン」


早いものでこちらの秋学期(10-12月)も半分終わってしまいましたよ。イギリスはサマータイムが終わったので、もう5時には外真っ暗です。

今日はせっかく100ページ近くも本をコピーしたのに、自分「コピーした」という事実にすっかり満足したらしく、フツーに全部コピー機に忘れてきましたよ。何事もなかったかのように。
bakusyou_lupin.gif
あはははははははh。 orz

・・・さて今回は映画「カリガリ博士」を題材に次のような内容になります。
1、映画にとっての1920年代とはなんだったか
2、メゾンセン(mise-en-scene)とは?
3、カリガリ博士と、表現主義映画



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映画学入門Week3 (その4)
まだグリフィスですよ!正直早く次に移りたい・・・。

そうそう、次回の教材になっている映画は「カリガリ博士」(1919年)でございます。これはけっこーフツーのビデオ屋さんなんかにもあるんじゃないかと思いますので、機会のある方はぜひご覧になってください。なかなかスゴイですよ!

・様々な種類のショットの使用(つづき)

前回は、ショットの組み立てとカメラの使い方について、グリフィスが二つの重要な発見をした、というところまででしたね。二つの重要な発見とは;
1、あるショットの意味は、その前のショットによって決められる
2、カメラの位置や動きがショットの意味を決めるのであって、その逆ではない
ということでした。これはつまり「ショットの意味」が、前後のショットとの関係カメラの使い方によって自由に決められる、ということですから、結果として映画を組み立てる上で様々な種類のショットが使用され、ショットの組み立て方も複雑になっていくんですね。

例として、グリフィスのクロス・カッティング(Cross-Cutting)をとりあげたいと思います。これはその名の通り、一つの場面に向かって展開する二つの場面を交互に見せて、緊張感を高める技法です。



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映画学入門 Week3 (その3)
というわけで、やっとWeek3のまとめであります。まず、その1その2を読んでからご覧くださいませー。

3、D.W.グリフィスと、彼がもたらしたもの

現代映画の父と言われるグリフィスですが、基本的に彼が現代映画のルールやテクニックを発明した、という話ではなくて、彼の功績は既にバラバラに存在していたルールやテクニックを映画文法として体系化し、洗練した、というところにあります。彼の登場によって、映画は「演劇の映像化」であることからほぼ完全に離れ、映画メディア独自の発展を始めることになります。グリフィスが映画を変えていくのがだいたい1910年代のできごとですが、では彼が確立させた映画文法とはどのようなものだったのでしょうか。

・Continuity Editingの導入
前回お話したContinuity Editingという考え方も、その萌芽はグリフィス以前にも至る所に見ることができますが、グリフィスの登場とともにはっきりとそのかたちを現すことになります。前回も書きましたように、Continuity Editingの芯になるのは「観客の映画に対する没頭状態をキープすること」と、そのために「映画を組み立てている 編集 というものの存在に気づかせないこと」でしたね。このContinuity Editing自体はグリフィス以後も継続して発展していくものであって、グリフィスの映画のContinuity Editingはまだ稚拙なところもあるのですが、それでもはっきりとその効果と用法を意識して使われている、というのは大事なところであります。二つほど例をあげますと、まず前回も説明しました180度ルールがありますね。これがグリフィスの映画ではしっかりと守られています。さらにもう一つは「動作上の接続(match on Action)」というのがあります。


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テーマ:研究 - ジャンル:学問・文化・芸術

映画学は生きている の巻
実はですね、一昨日の日曜日にフィルム・アカデミアさんのDepperさん、Corinさんとお友達の方が3人でうちの大学まで遊びに来てくれたんですよー。
20051101150917.jpg


とても楽しいひと時を過ごさせていただきました。映画学メモやってなかったらお三方とも知り合いになることもなかったわけで、Blog様様であります。もちろん映画学のお話なども色々聞かせていただいてスゲー面白かったんですが、かなり印象に残った話のひとつに、日本では、最近の映画について研究したり論じたりすることがまったく映画学と見なされないというのがありました。

bikkuri.jpg


どーですか、これ。

っていうか、ただでさえ日本には映画学は確立された学問体系として存在していないのに、映画について論じたり研究している人たちが古い映画しか研究したり論じたりする価値がないって思ってたら、これはキツいですよ。

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テーマ:思うこと - ジャンル:学問・文化・芸術

映画学入門 Week 3 (その2)
Week3(その1)のつづきでーす。



2、「継続的編集」(Continuity Editing)とは?

そしてもう一つ、グリフィスの話をする前に押さえておかなければいけないキーワードがありまして、それが「継続的編集」(Continuity Editing)です。これもできれば日本語に直したいのですが、ちょっとピンとくる訳語がないので、Continuity Editingと書きますね。Continuityは、continueとかと同根の言葉で、「連続すること・継続すること」、editingは「編集すること」ですね。

このContinuity Editingというのは、映画学の中でもっとも大事な概念の一つ、と言っても差しつかえないくらい大事なものなんですよー。
20051031173325.jpg
ジャック・ブラック先生




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テーマ:映画 - ジャンル:学問・文化・芸術

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