映画学メモ
日本ではまだイマイチ馴染みの薄い「映画学」なるものを、イギリスの大学から実際の映画学の授業に沿うかたちで紹介していきたいと思います。まー気楽にいきましょう。
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映画学入門 Week 2
Week 2

「物語以前」-視覚的アトラクションとしての映画


イギリスも寒くなってまいりました。結局自分のパソコンのウィルスは除去できなかったみたいで、また大学のコンピューターラボから更新してまーす。
net_nanmin.jpg
ヤバイっす。

さて映画学入門の方ですが、2週目はリュミエール兄弟による映画の発明以後の10年ほど、まだ映画が「物語(Narrative)」というシステムと完全に結びついていない時代のお話であります。

今回の内容はこんな感じです↓
1、19世紀の西洋世界
2、アトラクションとしての映画
3、映画文法の萌芽




1、19世紀の西洋世界

前にもちらっと書きましたが、映画の誕生を考える際に忘れてはいけないのは、映画の発明が19世紀における様々な技術革新の一部である、ということでして、さらに、あるレベルにおいては19世紀西洋世界の人々はすでに「映画的」な体験をしていたということもできるんですね。その代表的なものが機関車なんです。

映画が発明された19世紀末というのは機関車の黄金期にあたります。機関車の発明自体はもっとずっと前ですが、19世紀前半に商業ベースで実用化されて、19世紀後半には生活になくてはならないものになっておりました。


この機関車という体験が、映画といくつか共通点を持ってるんですね。

まず、窓から風景を見る、という行為。四角い窓(フレーム)を通して、様々なイメージ(映像)がどんどん移り変わっていく様子を見る、というのはなんか映画に近いじゃないですか。自分がただ座ってるだけで、イメージがどんどん移り変わっていく、という体験はまだ未知のものでありました。
 また、機関車に乗っていると、まったく見ず知らずの人と隣り合わせて同じ風景を見る、ということが起こります。これもそれまでなかったことで、映画館で映画を見ることと近い現象ですよね。
 そして最後に、機関車というものによって人間は知覚されるものとしての世界の広さが変わっていく、という体験をします。もちろん世界そのものが変わってしまうわけではないですけども、そこに住む人間にとっての世界の感じ方、というのは明らかに変わってくるわけです。例えば機関車があるとないとでは、「隣町」というものの位置づけが全く変わってきますよね。Eメールというものが世界の広さを変えてしまったように、電車もまた19世紀後半に近くされる世界の広さを変化させていたのでした。これもまた、映画(映像の記録)というものがもたらしたものとよく似ているわけです。どんな遠いところの出来事も、映像で見ることができるようになりますもんね。

ですから、機関車と映画ってのはなかなか関係があるものでして、初期の映画に機関車が多く登場するのも偶然ではないんではなかろーかと思われるわけです。リュミエール兄弟も、機関車を撮ってますね。
653train.jpg


また機関車とはちょっと離れますが、上にあげた「見ず知らずの人と隣り合わせて」というところは、19世紀における都市の変容とも関わってきます。この時期、大量の人口が都市部に流れ込むことによって労働者階級が生まれ、スラムが生まれ、都市的娯楽が生まれ、いわゆる近代的都市というのが形成されます。それまでの、ただ政治的・経済的にその地方の中心である、というだけの都市から、人があふれ失業者があふれ様々な怪しげな職業やら何してるのか分かんない人やらが沢山いる都市です。その様子はエドガー・アラン・ポーの「The Man of the Crowd」という短編に生き生きと描写されていたりします。こういった都市の変化も、大衆の娯楽として発達していく映画の誕生と深く関係しているようです。

というわけで、申し訳ないですがちょっと忙しくて、今日はここまでであります。Week2の続き;
2、アトラクションとしての映画
3、映画文法の萌芽
は明日あたりまたUpしますのでー。

ってか明日もうWeek3の講義ですがねー(笑)ちょっと押してるなぁ・・・。講義の前あたりにUpしまーす。
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