映画学メモ
日本ではまだイマイチ馴染みの薄い「映画学」なるものを、イギリスの大学から実際の映画学の授業に沿うかたちで紹介していきたいと思います。まー気楽にいきましょう。
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映画学入門 Week12(その2)
こんにちはー。

突然Blogの紹介なんですが、シュールリアリズムの研究&実践仲間であり、俺のことをいつもいじめているいつも大変仲良くさせて頂いているLushyがシュールリアリズムを実践するBlogをつくったみたいです。

untitle.jpg
「シュルレアリスム実践メモ(仮)」


シュールリアリズムについては、俺も美術史美術論の中で特に興味がある分野でありまして、このBlogでも扱う扱うっつっときながらさっぱりできてないんでこのBlogにはかなり期待。シュールリアリズムの視点っていうのは映画について考えるときにすごく役にたつことが多いので、もうシュールリアリズムが好きって人もなんだかよく分からんって人もちょっと覗いてみてくださいませ。

sur-kun.jpg
なつかしのシュール君 再up

さて映画学の方ですが、前回はFramingについて色々と考えてみたのでしたね。今回もFramingのお話ですが、もうちょっと技術的なところで、アスペクト比(Aspect Ratio)について考えてみませう。アスペクト比というのは、1.33:1とか2.35:1とかいうやつで、要するに画面の縦横比です。テレビの画面は四角くて、映画館で映画見ると基本的に横長じゃないですか。あそこらへんについてのことです。


・アスペクト比の歴史

画面の縦横比ってのも、もちろん100年あまりの映画の歴史の中で、色んな要素とともに変わってきたわけです。

映画のパイオニアであったリュミエール兄弟やら発明王エジソンが採用したのは1.33:1というアスペクト比でした。どっちかっつうと正方形に近いですね。

train.jpg
1.33対1のアスペクト比

この1.33:1のアスペクト比は後にアカデミー比(The Academy Ratio。あの「アカデミー賞」をあげてるアカデミーが決めたので「アカデミー比」です)として50年代くらいまでスタンダードになっていくわけですが、アスペクト比についてはだいぶ早くから様々な映画人が色んな実験をしています。

こんなかでかなりスゴイのがAbel Ganceという監督の「Napoleon」(1927)という映画でして、これはその名のとおりナポレオンについての映画なんですが、この映画で彼は「Triptych=三連投影」という技法を使っています。つまりプロジェクターを三つならべることによってワイドスクリーンみたいな効果を得ようっていう話ですね。いやーでも今でこそ僕らはワイドスクリーンに慣れてるから「あーこういうことしようとした人もいたんだー」みたいな感じですが、当時からすると狂気の沙汰だったんじゃねーかな、と思います。ねぇ。
napoleon1927.jpg
「Napoleon」1927年

そして1927年というと、史上初のトーキー映画(声がでる映画)である「マダムと女房」・・・・じゃなくて「ジャズ・シンガー」が世に出た年でもあるのですが、このトーキーの登場もアスペクト比の変遷と実はちょっと関係があります。
300px-Movie_Al_Jolson_in_The_Jazz_Singer.jpg
「ジャズ・シンガー」1927年

フィルムって、こういう風になってるじゃないですか↓
film-strip-abc.jpg
トーキー映画で音を入れる、となると、映像が映ってる部分の脇に入れるわけですから、映像の横のところをちょっと削った方がいいんじゃねーのみたいな話になるわけですよ。ですから、20年代の終わりと30年代初めの少しの間だけ1.17:1という1.33:1以上に正方形に近いアスペクト比で撮られていた映画もありました。この30年代初めにさっき出てきたアカデミー比ってのが決められて、やっぱ1.33:1でいきましょう、っていう話になるわけです。



というわけで、映画のアスペクト比にとって転換期となるワイドスクリーン登場の前まで駆け足でアスペクト比の歴史を追っかけてきました。まぁアスペクト比の歴史なんてそこまで超大事ってわけでもないのですが、普段結構意識しないで受け止めてるものも、実は時代とともに変わってきたもんで、時代ごとに違った映画のかたち(この場合、文字通り「映画のかたち」ですね)をつくっていたんだーみたいなことが分かるといいかなーと思ったのでした。

次回はワイドスクリーンの登場と、あとそれが意味するもの、といったあたりできればいいなーと思います。

ではでは、また。


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コメント
この記事へのコメント
ほえー。そんな比率があったなんて知らなかったよ。
そんな視点でみると、映画のさまざまな歴史って
面白いかも。
2006/02/20(月) 15:35:08 | URL | しげよ #-[ 編集]
>しげよさーん
書き込みありがとうございますー。

そうなんですよ~。映画って映像とか音楽とか書かれた言葉とか、色んなメディアが混ざってくるし、一本の映画に関わる人もすごく多いですから、ひとくちに「映画の歴史」と言っても色んな映画の歴史があるんですよね。

たとえば結構面白そうなものに「女の映画史」なんてのがあります。今回も書いたトーキーの登場以前ってのは、結構たくさん女性映画監督がいたみたいなんですよ。でもトーキーの登場で音声も録音して入れるとなると、スタジオ作り変えなきゃいけないし新しい機材も要るしで映画一本の制作費が跳ね上がり、ビジネスとしてのシビアさも求められるようになって結局映画監督は男性ばかりになってしまったのだとか。「ハリウッドは女とビジネスについて話すのを嫌がる」ってよく言いますから。

結構歴史の中で忘れられてしまった女性映画監督がたくさんいるみたいです。

とかなんとか。
2006/02/21(火) 10:57:32 | URL | タカ@映画学メモの着ぐるみ着てる人 #6SWgxDAM[ 編集]
アスペクト比の歴史
勉強になりました。数字が出てくるものって苦手で、リーディングでも恐らく読み飛ばしていて、今日初めて流れが掴めました。ありがとう。
シュールリアリズムのブログ、おもしろそうだね。覗いてみるね。
2006/02/21(火) 17:49:06 | URL | かよこ@カリーナの着ぐるみを着てる人 #-[ 編集]
>かよこ
あれ着ぐるみだったの!?

最初にLT121とった時は、もちろん俺もアスペクト比についてはテキトーにやってたよ(笑)。っていうかうちらがLT121とってた時(っつうか今も)はアスペクト比の話っつうよりもワイドスクリーンの話だったよね。しかもさして面白くなかったような気が・・・

せっかくだからアスペクト比についてざらっとやればいいのになーなんて思って今回は映画学メモの方で勝手にやってみたのでした。

シュールリアリズム実践メモの方もよろしく!

hkrちゃんがんばってるみたいよ。
2006/02/22(水) 10:46:40 | URL | タカ@映画学メモの着ぐる(以下略 #6SWgxDAM[ 編集]
シュールのブログ始めた奴ってhkrさんですか?もしかして。もしかしなくても。
2006/02/25(土) 16:08:41 | URL | もや #-[ 編集]
うちのブログの紹介ありがとうございます。
おかげさまで何とかやってます。

>もやさん
違いますよー。「実践メモ」はhkrさんとは一切関係ありません。
2006/02/25(土) 20:13:57 | URL | Lushy #-[ 編集]
>もや >Lushy
お前らいったい何がしたいのだ(笑)

2006/02/26(日) 22:57:20 | URL | 映画学メモ@タカの着ぐるみ来てる人 #6SWgxDAM[ 編集]
>もや >Lushy
お前らいったい何がしたいのだ(笑


ブログ荒し。
2006/03/01(水) 06:01:03 | URL | もや #-[ 編集]
>もや(題名いれろ)
かかってこい。
2006/03/01(水) 21:23:52 | URL | タカ@映画学メモの着ぐるみ着てるムーミン #6SWgxDAM[ 編集]
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