映画学メモ
日本ではまだイマイチ馴染みの薄い「映画学」なるものを、イギリスの大学から実際の映画学の授業に沿うかたちで紹介していきたいと思います。まー気楽にいきましょう。
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映画学入門 Week13(その3)
おはようございます。

よく読んでいるBlog:サイコドクターぶらり旅 さんのところ(3月16日のエントリー)で、1901年にかかれた論文「ステッキによる自己防御法」というのが紹介されていたんですが、これが感動ものでした。

内容はどうでもいいんですが、絵がもう素敵すぎ

論文の最初のお題は「いかにして相手を自分の攻撃範囲の中に入れたまま、自分は相手の攻撃範囲から出るか」ようするに、☆いかに自分は殴られないまま相手を殴るか☆、って話なんですが、この議論について、読者の理解を深めるために付いている絵がこちら



barton-wright1.1.gif


超素敵。
もうジェントルマンが二人でちゃんとした服着ながらヌルく戦っている様子がたまんない。ってかどんな時にこういう状況になるのかさっぱり分かりません。

ちなみに他にも色々あるのでぜひサイコドクターぶらり旅さんのところで見てみてください。トラックバックも貼っちゃった。もうひとつ俺のお気に入りなのは論文の後半;「いかにして、熟練したキッカー(expert kicker)と戦うか」というくだりで、そこの絵はこうです


barton-wright1.9.gif


あぁ なんて軽やか

さすがジェントルマンです。っていうかこの「熟練したキッカー」という敵の設定がかなり謎なわけですよ。なんだそれは、と。ホントにこんな奴が、杖を持った相手に丸腰で襲い掛かってくるんかいな、と。まぁ1901年ごろには、こういった感じのジェントルマン同士の熱い戦いがイギリスの至る所で見られたのかも知れません。

というわけで、久しぶりにコンピューター・ラボで爆笑するハメになり、このBlogももう少しで
「ステッキによる自己防御法メモ」
になってしまうところだったわけですよ。



・・というわけで、映画の話もします。ええしますとも。

えーと、前回はカサヴェテスの「こわれゆく女」をお題に(といってもあんまりその映画の話はしませんでしたが・・・)Method Actingという演技のスタイルについてやってみたのでした。

今回は、カサヴェテスの映画についてちょっと切り口を変えて考えてみたいと思います。具体的に言うと、ドキュメンタリー映画から出てきたムーブメントであるシネマ・ヴェリテ(Cinema Verite)の影響についてであります。

ちなみにですね、ちょっと話はズレますけども、アメリカの映画っつうとただ単にハリウッド映画だけじゃないわけです。当たり前ですが。アメリカにはハリウッド映画と平行してインディペンデント映画の伝統ってのもあるわけでして、ざらっとゴチャゴチャに名前をあげると;
ジョン・ウォーターズ
スパイク・リー
ジム・ジャームッシュ
デニス・ホッパー
デイビッド・リンチ
クエンティン・タランティーノ
コーエン兄弟

などなどの人たちが、メインストリームのハリウッド映画とは違う映画文法を模索しながら色々と個性的な映画を作ってきたんですね。まぁ最近はインディペンデントとメインストリームの境界というのはかなり曖昧になってきてはいますが・・。んで何が言いたいかっつうと、これらアメリカ・インディペンデント映画の父、と呼ばれているのがカサヴェテスなのです。もちろん全てがカサヴェテスから始まったってわけではないですが、彼が1959年に撮った映画;「アメリカの影」がその後のアメリカ・インディペンデント映画に決定的な影響を与えた、とよく言われます。

shadows.jpg
「アメリカの影(Shadows)」1959年
ジョン・カサヴェテス監督

というわけで、カサヴェテスへの影響というのは、その後のアメリカ・インディペンデント映画への影響、と言っても過言ではないんじゃないかなーなんて思います。

そんでそのシネマ・ヴェリテですが、上にも書きましたようにドキュメンタリー映画から出てきたムーブメントでして、よく例に出されるのはジャン・ルーシュ監督の、これは邦題が分からなかったのですが、「Chronicle of a Summer(ある夏の記録)」という映画です。

rouch_morin.jpg
「Chronicle of a Summer(ある夏の記録)」1961年
ジャン・ルーシュ監督

シネマ・ヴェリテってのはフランス語なんですが、これは日本語に訳すろと「真実の映画」みたいな意味になります。ようするに「作り物ではない真実」をカメラに収めようとしたムーブメントだったんですね。ひとくちにドキュメンタリーっつっても色々あるのですが、ジャン・ルーシュなんかは民族学という学問の方から出てきた人でアフリカとかの色んな民族の様子をカメラを使って記録しようとしたわけです。まぁそういう試みはずっと前からあるわけですが、そうすると、やっぱり学問的な記録ですから「どういう撮り方が真実に近いか」っていうのがすごく問題になってくるわけです。例えば演技はつけていいのか、カメラの存在は隠すのか、被写体がカメラに話しかけてきたりしたときはどうするのか、etcですね。そこらへんの問題意識からシネマ・ヴェリテというムーブメントは出てきているようです。




というわけで、ここまで来て今回は時間切れです・・・。
そろそろお部屋に帰りますよ。

今エントリーを見返してみて、おー自分すげー書いたじゃん、とか一瞬思ったんですが、よく見ると「ステッキによる自己防御方」の部分が多いだけで、そんな書いてないじゃん、って話ですよ。

まぁ続きは次回であります。

ではでは、また。



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テーマ:なんとなく映画 - ジャンル:映画

コメント
この記事へのコメント
全然関係ないけど
David Lynchが好き。ひそかにTwin PeaksのDVDセットを買おうかと考えてます。
2006/03/23(木) 13:16:32 | URL | Hiroyuki #-[ 編集]
全然全然関係ないけど
ステッキ防衛法愛好会仙台支部立ち上げます。
2006/03/23(木) 19:50:00 | URL | もや #-[ 編集]
関係なくてもよいのです
>Hiroyukiさん

David Lynchは僕も大好きであります。俺が一番好きなのは、うーん、「ブルー・ベルベット」かな。

そういえばColchesterのOdeonの近くにColchester Art Centreっていうところがあるんですが、そこでオールナイトでTwin Peaksを観るっていうイベントに参加したことがありましたよ。オールナイトっていうから朝に始バスで帰ってくればいいやと思ってたのに、夜の三時ごろにフツーに終わりやがってなんも交通機関ないので歩いて帰るしかなかった、というひどいイベントでした。Twin Peaksは面白かったけど。

===============

>もや

ステッキ防衛法ぜひ仙台でも広めてくれ。とりあえずあの絵のように素振りですよ。みんなで並んでステッキで素振り。もちろんジェントルマンのカッコしてやるわけですね。女の子はレディーのカッコで傘で攻撃。
2006/03/23(木) 23:25:36 | URL | タカ@映画学メモの着ぐるみ着てる人 #6SWgxDAM[ 編集]
なんなんだー!あのステッキ防衛法は!
笑いすぎてお腹が、お腹が、お腹が~!
仙台に帰ってきたとき、あそこまでいかないけど
なかなか素敵なものがあるのでお見せしますわ。
お楽しみに。
2006/03/24(金) 12:33:03 | URL | しげよ #-[ 編集]
ご無沙汰してますが
先日他人の論文発表を聞いていて、「映画に映るものは全て過去のもの」という言及をしている人がいて、当たり前のようで改めて言われるとなにやら説得力のある言葉だなぁと思いました。エントリーの趣旨と少しずれてしまうかもしれませんが、そこにある真実を映す道具としての映画において、過去(映像)としてしか存在できないこと、決して完璧な人間の目にはカメラはなり得ないことなどの限界点あたりを、少なからず再確認されられました~。まぁだからこそ、手法や技術、そのあたりに哲学的な思想が反映されて面白いのですがね。

ステッキ自己防御法、なにやらマトリックスのプロトタイプのような感じにも見える、というか、そう言われると、そうなんだと頷いてしまいそうな感じですなぁ(笑)
2006/03/24(金) 15:42:18 | URL | Depper #hJZqYFTY[ 編集]
>しげよ さん
ステッキ防衛法はホント自分にとってもツボでありました。

仙台で何を見せていただけるのか、すごく楽しみにしております。

それにしても、某所でのしげよさんの日記、妄想の話で盛り上がりスギでウケました(笑)。いいですよね、妄想。
2006/03/26(日) 20:47:54 | URL | タカ@映画学メモ #6SWgxDAM[ 編集]
>Depperさん
お久しぶりです!
コメントありがとうございました。

まさにそういった「不可避的に過去のもの」としての映像なんかは、「映画の中の時間」と「現実の時間」がすごく近いドキュメンタリー映画なんか見ていると強く感じます。どうしても存在する限界と、そこまでなるべく近づこうとする努力ってのが面白いですよね。

ステッキ防御法がマトリックスの原型ってのは面白いなーと思いました(笑)。自分は格闘ゲームの原型のように見えました。なんとなくビジュアルが(笑)。
2006/03/26(日) 20:53:27 | URL | タカ@映画学メモ #6SWgxDAM[ 編集]
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2006/03/24(金) 21:15:41 | サイコドクターぶらり旅
一部で有名(笑)なホームズ会得の謎の格闘技、バリツの姿が今ここに明らかに!
2006/03/27(月) 00:47:43 | ふみいちblog
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