映画学メモ
日本ではまだイマイチ馴染みの薄い「映画学」なるものを、イギリスの大学から実際の映画学の授業に沿うかたちで紹介していきたいと思います。まー気楽にいきましょう。
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映画学入門 Week14(その3)
そんなわけで「帰ってきた映画学入門」の巻です。
みなさんお元気でしたか。

いや色々と忙しかったわけですが、これからは基本的に修士論文しか残っていないのでそれなりに時間の余裕はできるんじゃないかな~と思います。

とりあえず
cardboard_baka2.jpg
映画学メモもこんくらいの勢いでがんばっていきたいと思います。
Auteur Theoryですね。




2、Autheur Theory(映画における作家主義)とは?(つづき)

というわけで、とりあえずいったい何の続きなのか思い出せない人は前回のエントリーをご覧くださいませ。俺も先ほど読み返した次第です。

前回はAutheur Theoryが何なのか、それと映画学全体にとってどんな感じの意味をもつのか、ってな話をしていたようでしたね、俺。なので今回はもうちょっと歴史的な面からAuteur Theoryがどうやってでてきたのか、って話と、Autuer Theoryの問題点などについてであります。ちょっと小難しい話になるかも知れませんがお付き合いください。

Auteur Theoryっていうのは、フランス語をそのまま使ってることからもわかりますように、フランス発祥の理論です。50年代カイエ・デュ・シネマ(Cahiers du Cinema)という映画雑誌で映画について書いていた人たちが言い始めたんですよね。このカイエ・デュ・シネマってのは映画史上すごく大事な雑誌でして、アンドレ・バザンフランシス・トリュフォーゴダール(Week10で彼の「勝手にしやがれ」やりましたね)などが記事を書いていたスゴイ雑誌なんですよ。

これが60年代にはアメリカやイギリスにも広がっていくわけでして、Auteur Theoryという名前自体はこの理論のアメリカにおける代表的な提唱者であるアンドリュー・サリスさんがつけたんだそうです。

mumin.jpg

フランスでこの理論が生まれた背景には第二次世界大戦もちょっと関係ありまして、フランスではナチス・ドイツに占領されてた間はハリウッドの映画ってのは入ってこなかったわけです。「市民ケーン」とか「マルタの鷹」とかの名作がリアルタイムで入ってこなかったんですよね。そんで戦後一気にハリウッド映画が入ってくるようになって、そのショックでAuteur Theoryが生まれたんじゃないか、ってよく言われます。一気にまとめて見ると、その中に共通してあるものや傾向なんかが見えてきたりしますしね。

Auteur Theoryの中で「Auteur=芸術家」として扱われている監督たちは;
ジョン・フォード
アルフレッド・ヒッチコック
ハワード・ホークス
ジャン・ルノワール

といったあたりの監督たちになります。

前回のおさらいをしますと、Auteur Theoryってのは上にあげたような映画監督たちの映画を彼らの芸術的、想像的な表現、つまり「作品」として捉えようという理論でしたね。したがって、その映画監督たちも「芸術家」とみなすわけです。でも、ここは大事なとこなんですが映画という映画が全部作品、とか映画監督は全員芸術家、というようなこととはちょっと違ってきます。Auteur Theoryの理論家たちは「Auteur=芸術家」である上にあげたような映画監督たちと区別して、ただ他人に言われた通りに映画をつくるだけの「職人的」な映画監督をmetteur-en-sceneと呼んでおりました。Auteurである映画監督たちよりも、格が低いものとみなすわけでね。そんでしつこいようですが、このAuteur Theoryはまだ映画監督を芸術家としてみなすような風潮がほとんどなかった時代に生まれてきたものだ、ということをぜひ覚えておいてくださいませ。このAuteur Theoryの登場によって、映画学みたいなものの存在自体も可能になったんだーなんて話を前回しましたね。映画を芸術的なものとみなすことによって、メディア自体の格が上がりますもんね。



というわけで、ちょっとリハビリっぽい感じのエントリーでございました。結局「Auteur Theoryの問題点」までいかなかったので、次回はそこからでございます。

ではでは、また。



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