映画学メモ
日本ではまだイマイチ馴染みの薄い「映画学」なるものを、イギリスの大学から実際の映画学の授業に沿うかたちで紹介していきたいと思います。まー気楽にいきましょう。
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映画学入門Week17(その1)
Week17

映画における「ジャンル」というもの


どうもみなさまこんにちは。
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ノロノロと進んできた映画学入門もやっとWeek17でございます。ってか前回のAuteur TheoryのやつはWeek14だったのになんで突然Week17になんのかというと、Auteur Theoryんとこは実際にうちの映画学でやってる映画学入門(Introduction to Filmstudies)では二週間かけてやってたんですよね。そんでそん次の週は授業がない週(Reading Week)だったので、一応そっちに合わせて今回はWeek17って勘定であります。

実は映画学入門の中ではちゃんとしたテーマがある週は今週が最後でして、残りの三週間は「主流ではない物語の語り方(Alternative Narration)」というお題で、一般的な物語構成に属さない映画をケーススタディ的に扱っていくことになります。

さて

今回のお題は「ジャンル」です。ジャンルっていうとあれですよね、「ホラー」とか「SF」とか「西部劇」とかいう、普段うちらがフツーに映画を語る時に使うコトバです。これが実は結構色んな役割や可能性、理論的な深さをもった概念ですよーっていうさわりの部分を、色んなジャンルの中から「ホラー」のジャンル、そして映画としては「エイリアン」をお題にやってみよう、というお話です。あと俺が四年前にこのコースをとった時は、「エイリアン」だけじゃなくて「ゾンビ」も教材として使ったんですよね。俺は「ゾンビ」がそれはそれは大好きだったんですが、今年はなくなっちゃってました。残念。でも多分あちこちで「ゾンビ」の話も出てくるんじゃないかなーと思います。

1、「ジャンル」とは?
2、ホラー映画


alien1.jpg
「エイリアン」(1979)
監督:リドリー・スコット

20060521163619.jpg
「ゾンビ」(1978)
監督:ジョージ・A・ロメロ


1、「ジャンル」とは?

「ジャンル」ってのは普段あまりにフツーに使う言葉なので、なかなかその重要さってのは意識しないもんですが、実は映画学ではハリウッドのことをGenre Based Narrative Realism(ジャンルに基づいた物語的リアリズム)と呼んだりするくらい、ジャンルって大事な概念だったりします。ちなみに「ジャンル」ってフランス語?らしく、英語の映画学でもフランス語から来た「genre(ジョノラァみたいな感じで読みます)」という言葉を使います。

んで何でそんなにジャンルが大事なのかっていいますと、かなり乱暴に言うと(そしてこれは主にハリウッドの映画についての話なのですが)ジャンルっていうのが、観客が映画に期待するものや映画への反応を形作るのにすごく重要な役割を果たすからであります。そして観客の映画への反応を形作る、ということであれば、それはとりもなおさず映画の「意味そのもの」をつくるということにもなってきますよね。

具体的に言うと、それぞれのジャンルにはそれぞれの決まりごと、伝統、小道具、登場人物といったものがあるわけです。ギャング映画であれば、トレンチコートに拳銃、そして「ボスの女」ってのがいて、道を歩いていると突然敵対するギャングが車で乗り付けて撃ってくる、とかよくあるじゃないですか。まさにこの「よくある」っていうやつですよね。ミュージカルであれば楽しい歌と踊りがあって、基本的にハッピーエンドじゃないミュージカルなんてのも考えづらいですよね。他にもスポーツものなんかであれば、寄せ集めでうだつのあがらない弱小チームがなんかのきっかけで段々強くなって、その中心人物は最後に意中の女の子を射止めて・・なんてのもお決まりであります。

mumin.jpg


こういう風に、実は僕らがフツー思っている以上に、映画ってのはお決まりの「材料」からできています。その最たるものが「ジャンル」なんですよね。

ですから(繰り返しになりますが、主にハリウッド映画においては)、まず映画の方が「この映画は○○○○のジャンルに属しています」と観客に伝え、観客はそれを了解しある一定のものを期待するわけです(上にあげたようなもの、他にも例えば歴史ものであれば、壮大な戦闘シーンとか)。そんで映画はそれを観客に見せて、観客は満足、と。このプロセスは映画の側においても観客の側においても無意識のうちに行われることが多いのですが、基本的にこういった構造が映画の中にはよくあるわけです。

だから、かなり身近な考え方ではありますが、「ジャンル」の力、ってのはなかなか侮れないんですよね。うちらが普段特に見たい映画がないままにレンタルビデオ屋で映画を探すときなんかも、「ジャンル」から入りません?まず映画が「ジャンル」で分類されてますしね。そういったこともうちらが映画の「ジャンル」に基づいて一定のものを映画に期待しているからこそ起こることですよね。



というわけで、「ジャンル」の最初のところでした。何度も書いてますがこれはホントに身近でありながら映画学にとってかなり大事な概念なので、ぜひご自分の経験をもとに色々考えてみてくださいませ。

次回ももうちょっと「ジャンル」についてであります。

ではでは、また。

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テーマ:映画かってに評論ww - ジャンル:映画

コメント
この記事へのコメント
出たよ ムーミンサブリミナル演出。
なるほどね、今回はジャンルってお題ですか。
となるとムーミンって一体なんのジャンルにはいるんでしょうね?
カバではないんですよね??
2006/05/24(水) 18:11:06 | URL | Yappin #-[ 編集]
ムーミン的ジャンル論
とりあえずムーミン的には、カバに間違われて動物園に連れて行かれた苦い思い出があるので、カバだけは勘弁、と言っておきます。

そんなジャンル論。

これからもちょくちょくムーミン登場予定です。
2006/05/25(木) 23:51:28 | URL | ムーミン@僕はカバじゃない! #6SWgxDAM[ 編集]
タイムリーだったもので
すみません、フィルム・アカデミアの「もやしっ子」Corinです。非常にお久しぶりですが、お元気ですか?
ちょっとホラー映画のレビュー書いたんですが、タイムリーだったのでリンク勝手に貼らせて頂きました。
でわでわ、修論がんばってくださいね~!!(と勝手にお邪魔して勝手に去る私…。)
2006/07/01(土) 10:21:25 | URL | Corin #T4X5sOkU[ 編集]
オーメン
Corinさんお久しぶりですー。

リンクありがとうございました!オーメンかー。見そびれてしまいましたが。。

そんなわけで「抑圧の回帰論」についてちょっと書きましたので、よかったらそちらもご覧ください。あと「エイリアン」や「リング」でちょっと書く予定であります。
2006/07/03(月) 13:02:37 | URL | タカ@映画学メモ星人 #6SWgxDAM[ 編集]
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すんごいお久しぶりのコリンです。先日、ほぼ3ヶ月ぶりにようやく劇場に足を運ぶことができ、公開終了間近の『オーメン』を鑑賞してきたので、そのレビューをば。さてさて、『オーメン』ですが、こんなの→とか、あんなの←まで出てきてびっくり。結構楽しませてもらいまし
2006/07/01(土) 19:15:47 | フィルム・アカデミア
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